精神科へ相談に訪れた男は受付の女に「独身ですか……?」と尋ねられる。
「家内と子供が4人います。」
そう答えたところから、男はこの女に受け付けられ始める。
カンボジアの飢えた子どもや結婚問題、アイバンクへの登録や安楽死協会まで話はどんどん進んで行き——。
日時
2021年7月16日(金)〜18日(日)
全6ステージ/上演時間60分(予定)
公演スケジュール
当公演はダブルキャストでの上演となりますので、各ステージで配役が異なります。
場所
演劇専用小劇場BLOCH
札幌市中央区北3条東5丁目5 岩佐ビル1F
出演
さとうともこ(ポケット企画/トランク機械シアター)
吉田侑樹(ポケット企画)
森大輝(劇団怪獣無法地帯)
山下愛生
スタッフ
照明:中田遙
音響・制作・宣伝美術:藤川駿佑(ポケット企画)
衣装・宣伝美術:さとうともこ(ポケット企画/トランク機械シアター)
装置:三瓶竜大(ポケット企画/劇団清水企画)
配信監督:きゃない
協力
札幌演劇シーズン実行委員会
劇団清水企画
▼本公演は札幌市文化芸術活動再開支援事業を活用しました。
料金
■ 一般 2,500円
■ U-25 1,500円(学生証提示で500円割引)
■ 高校生以下 無料
■ 再観チケット 1,000円
【高校生応援企画】
なんと、本公演は高校生無料です。
なかなか家から飛び出しづらいこのご時世。それでも飛び出して来てくれる未来の担い手にできる限り負担をかけさせたくない……、そんな気持ちから応援企画が実現しました。
また、本公演は「高校演劇応援企画」でもあります。高校演劇のルールである「10分で仕込めて撤去できる、60分以内の作品」を順守し、実際に仕込むところから上演しました。
演出より〜別役実の劇世界への挑戦!
ポケット企画の俳優とともに初めて既成脚本をやろうということになって、まず名前が上がったのが”別役実”という劇作家でした。昨年10月シアターZOOの企画で別役作品に関わらせていただいてからポケット企画の創作過程でその名前が出なかったことはありません。それほどまでに舞台空間の捉え方や会話の軽妙さ等知れば知るほど気になってしまうのが別役作品の面白いところです。つい、言葉に出してしまう、真似てしまう、まるで高校生に戻った気分。
いまでは団体の聖書とも呼べる別役さんの著者『舞台を遊ぶ』をもとに、その本にも掲載されている「受付」という作品へ挑戦することになりました。
今回別役作品を上演するにあたって、手記やインタビュー、前後の作品をみんなで読みました。そうしていくうちに(時代性も相まって)生の舞台について考え合う機会が増えたように思います。生の肉体、生の肉声、閉鎖された空間に集められる人々。同時に、僕たちはそこにあるパワーを知っているようで形にできていないのではないかという考えにも至りました。別役さんの言う「演劇にある何か得体の知れない伝統的なもの、まだ抽出、抽象化されていない、その部分」とは何なのか。
今回も、生配信、アーカイブ配信、舞台公演と3つの全く異なる性質を持つ上演形態へ挑戦し、そのそれぞれの良きところや生の舞台のパワーというものを形にしたいと思います!